「リアルタイム」と云うこと。

ちゅー訳で、予告通り「.hack」についてチョコチョコと。

先ずは概略説明。
モノとしてはPS2用のRPGです。で、これだけならなんでもないのですが、色々と仕掛けがあるのです。

1. 劇中劇(ゲーム中ゲーム)を題材としている
   (ゲーム中ゲームの名前は「The World」と云います)
2. 劇中劇がネットゲーム(MMORPG:Massively Multiplayer Online Role Playing Game)である
3. 劇中の世界はちょっと未来(2007年らしい)である
4. 劇中は人命に関わるレベルのコンピュータネットワーク犯罪(コンピュータウイルスが人を殺した、らしい)が起こりえる世界であり、劇中でやってるゲームも似たような状況になりつつある
5. 現実世界のプレーヤーは、「劇中のネットゲームをプレイしている人物からの視点」をプレイする
6. ちなみに、.hack自体は旧来のパッケージゲームでありネット環境は不要

つまり、「ネットワークには繋がないでプレイする旧来のパッケージゲーム」の中でネットゲームをプレイしている主人公となって謎に挑む、と云う、やたらレイヤーの多い設定があるのです。

まあ、これだけでもそこそこ面白いのですが、見出しの「リアルタイム」とは何かと申しますと、今私が置かれている状況が、と云うことです。
最近では結構よくあることですが、この作品も「メディアミックス」を展開中でして、本編ともいえる「.hack 感染拡大 vol.1」が発売される前から、先行して深夜アニメ「.hack //SIGN」を放送中なのです。

で、このアニメ作品が結構良く出来ていて、ネットゲームをやったことがあるなら興味深く観られるモノなのです。最近ではいよいよ佳境に至りつつあり、ドンドン盛り上がっていく方向なのですが、そのタイミングに合わせてのゲームの発売です。もう、買うしかないと云う状況で。(実際よく売れたようです)

と、今度はゲームが発売になってから、アニメ作品の方にも明らかな変化が生じておりまして。
放映開始からゲーム発売までの間、アニメ作品の方はどちらかというとゲームにあまり関係ない部分、人間ドラマ的な面を前面に押し出して、「コレは空想などではなく、あくまでも現代人同士での交流なのである」と強調していたのです。言い換えるなら、あまりゲームという面を強調しすぎないようにしていた、のでしょう。

コレが、ゲーム発売後の回から、ゲーム内のアイテムの名称をハッキリと言い出したり、コレまでまともに描かれていなかった「クエスト」の部分を詳細に描くようになったり、ゲーム中によく目にする「タウンの風景」を意識的に挿入することで「ゲームに出ていたあの建物は実際はこうなんだ」などの補完をしてみたり。
要は、今まで何気なく見ていたモノがもの凄く注意深く意味づけられているのに気付くように、また気付かせるようになっているのです。他にも、「キーワード」が同じだったり、VEやSEが整合性が取れていたり、当たり前ではありますが、ホントに切れ目なく意識内で統合できます。

おかげで毎週の放映が楽しみになり、また、ゲームの方でも感情移入度が非常に高まります、何よりゲームvol.2が非常に待ち遠しくあります。

なんか長くなったので、今日はこの辺で。
最後に一言。「hackとcrackは別物だ。劇中のアレはcrackとかcheatとかであり、どう見てもhackじゃねー」

何年か前「アバター」なる概念が取りざたされましたが、MMORPGって、まさにアレですな (などと、最近気付いた次第)