「マンガ」の持つ強力な 要約/伝搬 能力

【新聞離れ】【テレビ離れ】の結果、マスメディアが成立しなくなりつつあり、日頃から「ニュース」に触れない人たちが増えつつあるようです。
かく言う私も、新聞もテレビも「ニュース」取得の経路としては利用せず、専ら各種の feed をネットで喰っている状況です。
そんな「ネットでニュースを」という手口に、「マンガ」という手段を以て参入してきた新しいサイトのご案内です。

clip IT!
「マンガで読むニュース 漫画の新聞」
via プレスリリース・ニュースリリースの【＠Press｜アットプレス】
「世界初、マンガによるニュースサイト「漫画の新聞」10月15日創刊」
from マンガで読むニュース 漫画の新聞
「創刊のご挨拶」

clip IT!
from Impress BB Watch
「漫画によるニュースサイト「漫画の新聞」創刊」
from japan.internet.com Webビジネス
「カバネット、マンガによるニュースサイト「漫画の新聞」を公開」

まだ全数は見ておりませんが、なかなか面白いですね。
(ちなみに、このネタはニュースサイトに挙がる前に、プレスリリース配信サイトの feed 経由で仕入れました)
チョロッと読んでみたのですが、これは改めて「マンガのチカラ」を再認識させられました。
マンガが漫画として成立する要件は色々あると思いますが、ニュースとしてみると、やはり「要約性と伝搬性」の高さが際立ちます。

要約性

漫画はそれが一コマでも四コまでも複数ページでも、先ず「ネーム」が必要となります。
この「ネーム」と云うのは、いわゆる「絵コンテ」と「台本」に「効果/演出」の指定を重ねたもので、ニュースとしてみると「原稿」や「使用する画像/映像素材の指定」に「紙面の枠や表題のサイズ指定/放送する順番や映像演出」までをまとめたものと云えます。

つまり、短く集約したネームを作る為には、その対象をしっかり把握して、伝えるべき肝をしっかり抽出し、最小の文字数で語り尽くせるよう画像にまでモノを言わせる素材選定や構図の構成力が求められるワケです。

媒体としては画と文字なので、新聞的かもですが、映像に語らせて読み上げる原稿は抽出された要約のみと言うのは、テレビニュース的でもあり。
更に、一ページ当たりに要する読み時間は新聞より圧倒的に短く済み、文字と止め画なのでテレビのように周りの目や耳を気にする必要もないので、場所を選ばずに隙間時間でドンドン情報を摂取していけるワケですね。

伝搬性

要約性が高いもので興味深いネタに触れると、ヒトはついついみんなに教えたくなります。
そのネタをチャットやメール、最近なら Twitter で流す分には問題ありませんが、一緒に一つの画面を見ながらとなると色々と面倒が出てきてしまいます。

例えば新聞や web ニュースなら、文字主体な記事を読んでもらうにも時間がかかりますので、気楽に「これ見てよ」と話しかけるコト自体ちょっと躊躇してしまいます。
また、動画ニュースの場合は、ネタのツボに至るまでの動画を実時間でじっと見続ける必要まで出てくるので、更に「これ見てよ」とは言えなくなってしまいます。
それが、一、二ページの漫画としてギュッとネタがつまっているなら、気楽に「これ見てよ」と言えるワケですね。

この「漫画の新聞」では、今後の展開としてケータイ向けの発信もしていく予定もあるらしく。
最近はケータイでマンガ作品を見ることも一般化していますが、「チャット代わりのメール」は活用しても「メール配信のニュース」はなかなか利用されにくい状況で、「ケータイマンガ感覚でニュースを読める新聞」は実に上手いと思います。

さて、件の「漫画の新聞」については、執筆する作家(記者/画者)を継続的に確保できるかどうかが問題になると思います。
新聞ですから、当然ネタの取捨選択と要約の出来も大事です。更に、それをマンガとしてまとめる技量も必要となってきます。
てコトで、「漫画家」「漫画原作者」の募集をしているようなので、我こそはと云う方は応募してみてはいかがでしょうか?
当然、プロアマ問わず、です(笑)

…ひょっとしたら、カバネットさんは早めに pixiv と提携する必要があるかも、ね?