PalmFanでM.Hirose様から返答がありましたので、コレに対する私の意見をば。(<お知らせ返信感謝です)(マネ)
これからパソコンをはじめて触る人が学ぶ方法として、効率の良い方法はローマ字入力なのではないか
コレは私の考えとは全く逆ですね。先日も書きましたが、一般的な日本人にとって効率の良い文章の考え方というのは、間違いなく日本語で考えることです。いきなり漢字かな交じりのテキストを打ち込める入力手段(『SKK』だったかな?)を駆使出来るっていう人も居るようですが、コレはさすがに少数派です。となると、頭の中で考えた文字の「音」を記述していくカナ入力くらいまでしか『効率がよい』とは言えないと考えます。翻って、ローマ字入力は確かに『慣れてしまう』コトで脳内変換のオーバーヘッドを感じずに済むのでしょうが、オーバーヘッドが掛かっていない訳では決してあり得ませんし、もし本当にオーバーヘッドなく思考出来るとするならば、それはもう『ローマ字で考える』という風に思考の方法が変容していると云えるのではないでしょうか?
私としてはそんなのはまっぴら御免です。(別に「原理主義的であれ」って訳でもないんですが…)
それに『効率』を云々するならば打鍵回数って云うのも影響を受けるハズですよね。たとえどんなに高速・正確に打鍵出来るとしても、打鍵速度自体には物理的・コンピュータの処理速度的に、或いは、入力者の運指性能的に限界がある訳で、となればほとんどの場合に於いてローマ字よりも打鍵回数の少ないカナ入力の方が『効率の良い方法』となるハズです。
つまり、私の結論としましては『これから学ぼうというならば、脳内思考の変容に至りかねないオーバーヘッドの存在する、打鍵回数の多い入力方法を選択することはないでしょう』ならば、『慣れた思考の「音」をボタンの表記を見ながら入力出来る方法をお薦めします』ということになります。
今は英語キーボードの方が需要があるという市場も存在するのでは
日本で販売するパソコン用のキーボードでも、せめて日本語キーボードと英語キーボードを自由に選択できるようになって欲しい
これってむしろ売りになったりすることなんじゃないか
各国で販売されている各種キーボードをどこの国からでも容易に入手出来る、コレはもう大賛成です。ですが英語キーボードの方が需要があるという市場
は例えばプロシューマーと呼ばれるセグメントに属するマシンに限ったとしても、その総販売台数に対するパイは小さいと考えられる訳で、少なくとも国内市場に於いては、「ASCIIキーボードが標準」「JISキーボードがオプション」という製品企画は困難であると推察されます。
確かに、国内で古くからコンピュータを利用してきた方の中には、最初の取っ掛かりがASCIIキーボードを使用するしかない状況で、その後もやはり一番使いやすいのはASCIIキーボードであるという人が多くいらっしゃいます。コンピュータ系のライターの方々ではその傾向が特に顕著ですよね。
このことからも、おそらく日本でもASCIIキーボードを必要とする利用者数というのはかなりの数になると予測されますが、では彼らの利用しているマシンが全て同じかというと、当然そんなことはない訳です。MacintoshだったりIBMだったり東芝だったりデスクトップだったりタワーだったりノートだったり自組(自分で組み立てる、世間的には『自作』と呼ばれる)だったり。これではやはり「ASCII標準・日本語オプション」は実現しにくいでしょう。
ですが、きっと在日の簡体中文圏の方にしてみれば『ピンイン』入力用の、ハングル圏の方にしてみれば『2ボル』式や『3ボル』式の、それぞれのキーボードを欲することもあるでしょう。とはいえ、やはりコレを国内で入手するのはASCIIキーボードの入手以上に大変なことかもしれません。
よって、私の理想とする解は『あらゆるマシンの全てのグレードに対し、「添付」(キーボード一体のPCにては「搭載」)されるキーボードは、少なくとも、実際に自社製品として販売している各々の文化圏用のキーボードについては、購入時に自由に選択出来るようになる』であり、どうしても『購入時の自由な選択が出来ないならば、各地域の現地法人のwebサイトから簡単に注文出来るような仕組み(例えば、アップルジャパンのwebサイトからMac用のASCIIキーボードを注文出来る)を用意する』コトです。当然、妙な手続きや追加料金などの購入者側への負担は一切ナシに、です。そしてコレは、確かに強力な『売り』になり得ると思います。特に、ノートPCでコレを実現出来れば、かなりの好評を得られることでしょう。
え? JISキーボードの他にASCIIキーボードを用意するとコストが嵩む? 馬鹿を言っちゃいけない。日本で出荷されているPCの数と、英語圏向けに出荷されているPCの数と、どっちが多いと思っているんだ? たとえ英語圏でなくとも、例えば発展途上国とかではPCを触れるのは、英語も出来てこれから国外で活躍しようというエリートなんだぜ? 彼らが母親に電子メールを出したくても、その母親は電気のあるところに住んでるのかい? よしんばPCを使える環境にあったとして、そのとき使いたいのは彼らの母国語仕様の端末でありキーボードであって、間違ってもJISキーボードではないだろう? 改めて聞くぜ? 日本仕様のPCと英語仕様のPCと、その出荷台数はどちらが多いんだい? 大量に存在する部材をごく小規模な場所でも転用するのは、そんなにコスト的に大変なことなのかい? 在庫しておくのが大変? 今時何ヶ月分モノ在庫を抱えているPCメーカーって、もうダメだろ? ほとんどは生産地からの直送だろう? 国内では在庫というより出荷待ちのバッファでしかないんだぜ? その中にたかだかキーボード程度の大きさのモノを同送出来る物流の仕組みもないのかい? んじゃぁ、改革しなよ? ホントにつぶれるぜ?
コンピュータ関連で講師をしている方とも接する機会があったりするんですが、入力方法はローマ字入力が基本、特に今はインターネットを利用することが一般的になり、半角アルファベットを扱うことが多くなっているため、始めの入力方法をカナ入力で憶えてしまうと、さらにアルファベットを憶えなくてはいけなくなることから、ローマ字入力しか教えない
コレはちょっと申し訳ないんですが、講師の方の怠慢であると考えます。何らかのアプリケーション操作のためのトレーニング講習に来ているならまだしも、コンピュータ自体の操作のための初心者向け講習ならば、どうせキートップを読んでの入力しか出来ないハズです。つまり、ローマ字への脳内変換を『自分がそう出来るから』という程度のことで慣れないズブの素人に強要していることに気付いていないのです。
講師の方々にはよく考えて欲しいものです。せっかく『カナ』を刻印してあるのですから、初めて触る方々は当然『コレを押せばいいんだね?』と考えるハズです。ところが講習で「ローマ字で入力します」とさも当然のように言われると、ただでさえ慣れない操作に着いていくのにイッパイイッパイなのに、更に余計に考えなくてはならないことを増やしている訳です。
講師:「ではココで『こんにちは』と入力して、入力した『こんにちは』を太字にしてみましょう」
受講者:「センセー、『こ』って、KOですか? COですか?」
講師:「どちらでも大丈夫ですよ」
受講者:「センセー、『ん』はどう入れれば良いんですか?」
講師:「『ん』はNを二回入れます。NNということですね」
受講者:「センセー、『ち』って、TIですか? CHIですか? それと『は』はHAなんですか? それともWAって入れるんですか?」
…
コレでは操作自体に、選択した文字列に対して書式を変えるという操作のやり方に、集中出来ませんね。
また、始めの入力方法をカナ入力で憶え
るというのもちょっと違ってまして、最初から両方使うものとして両方同時に覚えれば良いだけのことです。というか、どうせ短い時間では大体の位置くらいしか覚えられないんですから、目でキートップを確認してから打ちますので大した問題ではないのです。もし、事務処理のバイトのためなどで高速入力を覚えたいというのならば、コレは別口でタッチタイプを専門に修練を積むしかありません。講習会で習おうッたって、結局は積み重ねが効いてくるスキル・技能でしかない訳ですから、初心者コースではそんなことよりももっと別のことを教えるべきです。
自分の回りを見渡してみると、確かにローマ字入力でしか入力しない人しかいなかったりする
それはそうでしょう。M.Hirose様ともなれば周辺の方々もそれなりにコンピュータの利用歴が長そうですから、ほとんどはローマ字入力に慣れさせられているのでしょうし、更にその身内がパソコンをやってみたいと言い出せば、自分のやり方を、つまり、ローマ字入力を伝承することでしょう。そのような状況が何代も続いたことにより、今の日本の『ローマ字入力全盛』という状況ができあがった訳ですからね。
よって、講師の方の意見とココで云いたいことは『真に初心者(及びタッチタイプなどまで熟達しようとする意志のない方々)が必要とする入力方法は、実はカナ入力である』のでは? ということです。
日本のパソコンというのは、ほとんどがカナ付きの窮屈なJISキーボードがデフォルトでついています。これは実際の話、今これからインターネットを始めようというユーザーからしてみると不便な仕様なのではないかと思うわけです。
JISキーボードが窮屈であるのは間違いありません、特にノートPCではこれがより凶悪になっております。コレについては私も同意見であり、もっとましな配列に替えることで楽に打てるようになればとか思います。その中の選択肢として、『ASCIIキーボードでローマ字打ち』に移行するというのもありですが、私にとってはキーボード(実際にはキーピッチ)が広くなることよりもカナ入力で思考の停滞なく文字を叩き出すことの方が優先度が高いのです。
実は、キーボードが窮屈であることが一番効いてくるのは、『タッチタイプでバリバリ打てる』人と『B5サイズ以下のサブノートと分類されるちっちゃいPCをつかって出先でモノ書きをしている』人、つまり、ほとんどの場合は上級者なんですね。んで、先の例にもあるように、上級者はほとんどタッチタイプが出来ますので、キートップの刻印なんてどうでも良いと考えがちなんです。ほとんどのコンピュータ利用者は手元を見ながらでないと文字入力出来ないってコトを忘れてしまっているんです。そして、キートップを確認してから打つような場合にもキーピッチはそんなに重要なことではありません。つまり、窮屈ではあっても、そんなに問題はなかったりするんです。
むしろ、これからパソコンをはじめて触る人
に取って害悪なのは、チルダ(実はオーバーライン)や半角の円マーク(実はバックスラッシュ)など、キートップの刻印と実際に画面に表示される文字の形状とが異なっている点です。OSが悪いんだか、キーボード側が悪いんだか分かりませんが、過去からのしがらみで以て初心者には納得のしようがない珍妙な状況がある訳です。実際オッチャン連中に教える時なんて、コレが一番大変です。オバチャン達は「あ、そう?」って簡単に納得してくれるんで助かりますが、オッチャン連中には、それこそIBMがどうのMSがどうのNECが日立が富士通がって歴史についての(曖昧な(爆))蘊蓄をたれても、なお、納得してくれない人もおりますし、実際私も納得していないだけに強硬に出れませんし。
というわけで、『キーボードが窮屈なのは大した問題ではない』『どうしてもって場合、キーピッチの広い、それこそASCIIキーボードを利用すればよい』『全く日本語の記されていないASCIIキーボードを安心して使うことの出来るような初心者はほとんど居ない』ので、JISキー配列であるかどうかは別として『多少窮屈でも日本語キーボードはやはり必要』『出来れば窮屈でない日本語キーボードが欲しいかも?』となります。
いい加減長くなり過ぎて、発散しまくってますが、まとめると
というところでしょうか。