最近になってNTT系が躍起になって焚き付けようとしている「インフラただ乗り論」ですが、コレは邪論・曲論ですね。自分の利益のみを守るための誘導に他ならず、その内容は穴だらけです。
clip IT!
from @IT
「急浮上した「インフラ“ただ乗り論”」に出口はあるか?」
from Impress INTERNET Watch
「増加するインフラコストをどこで回収するかの議論が必要~IIJセミナー」
要約すると、
「オレのシマを荒らすSkypeは許せないから、因縁つけて所場代をせびり取る。」
「今からオレのシマにするハズのところに手を出しているGyaOは許せないから、因縁をつけて所場代をむしり取る。」
「ついでだから、ユーザに対しても値上げをして更に旨みを吸い尽くす。」
と云うコトですね。
まず最初に気付くふしぎな点。P2Pトラフィックが全体の62%を占める
と云うコトを言う割に、最近問題となっているWinnyについてはその名前すらも一切出てこないというところ。代わりにP2P応用例として名前が挙がっているのがSkype。
あり得ませんって、そんなこと。Skypeのトラフィックがネット全体に及ぼす影響なんて、ほとんど無視できる程度のモノですって。
Skypeのトラフィックですが、普段はほとんど通信自体してません。時々接続状況を知らせたりするためのビーコンを打つ程度で、通話をしていないときはホントに何もしてません。
通話時についても、例えば先ほど実際に試したときで最大162kbps、ビデオ通話時でも最大486kbpsという程度です。更に言うと、コレは多めの数値を採ろうということで「タスクマネージャ」で確認してみたネットワークのパーセンテージを実数にしたものです。
更に更に、この帯域を常時24時間使い続けるというわけではなく、更に更に更に、国内にいるとされる300万ユーザ全員が同時に通話するハズもないわけで、実際にSkypeが占める帯域なんて、Winnyの「あるだけ全部使い切ります、喰い尽くします」な膨大な帯域からすれば存在しないも同然という程度のハズです。
次に、GyaOのビデオトラフィックが多くを占めているとか言う割に、六割以上はP2Pのトラフィックだと言っているわけです。
ならばと云うコトで、GyaOのトラフィックはどの程度なのかを知りたくなるわけですが、こちらについては具体的な数字は一つも出てきません。GyaOを悪者扱いするならその実態を示す必要があるはずですが、証拠は全く出さずにタダ「GyaOが大食いだ」と言っているわけです。
GyaOのトラフィックについては計算できるほど詳しくはないのですが、800万ユーザがいるとかいっても常時それだけのユーザが接続しているはずもなく。大体GyaOのサーバが落ちたというハナシはあんまり聞きませんので、実際に配出されているビデオの総量というモノも、そんなに非常識なレベルにはないのではないかと予測されます。
仮に実際に凄いトラフィックが発生していたのだとしても、それを捌ききれるだけのサーバを構築し、更に配出するための帯域を確保するべく努力し続けているのはGyaOの功績であるわけで、むしろ他のISPなりIXなりはいったい何を怠慢しているのだということになるのではないでしょうかね?
と云うコトで、全然悪くないどころか、逆に非常によく頑張っている「Skype」と「GyaO」を吊し上げて珍妙な欺瞞をかけているのは、NTT側には別の思惑があると云うコトですね。
つまりは、
「電話料収入が本格的に脅かされそうな事態になりつつあるので、ソフトウェアIP電話から金を巻き上げる道を今のうちにインフラを握っている立場を利用して作っておきたい。」
「ビデオのネット配信に参入するに当たり、先行者に対して今のうちにインフラを握っている立場を利用して足枷をかけておきたい。」
と云うコトでしょう。
更に、利用者に対しては、広く浸透し手放せないインフラになった頃合いを見計らって、
「このような浅ましい連中がいるし、おまえ達もこちらの想定以上の使い方をしているのだから、将来的な値上げを覚悟しろよ。」
という前振りをしたいのでしょう。
…こんなバカバカしいハナシに騙されてはいけませんね。
と云うコトで、ゴリッと憤りをぶちまけてみましたが、コレは私の意見でありモノの見方の一つです。皆さんも色々な見方があると思いますので、チョット考えてみて下さい。