過日の惨状を生々しく伝えた @tsuda のtsudaり以降、色々話題になっている本件。
私なりの解釈を下記に掲示してみます。
先ずは、これまでの経緯とそれぞれの主張を。
clip IT!
from 東芝
「私的録画補償金に関する当社の対応について」
補償金の対象か否か明確でないため、現段階ではご購入者から補償金を徴収できないと判断しています
from パナソニック
「プレスリリース」
(まだ「当事者」となっていないので、プレスリリース等は出ていません)
clip IT!
from SARVH(社団法人 私的録画補償金管理協会)
「SARVH [社団法人 私的録画補償金管理協会]」
(なぜか、特段のプレスリリースなどは出てないようです)
from Culture First/カルチャーファースト
「Culture First/カルチャーファースト ~はじめに文化ありき~」
(なぜか、特段のプレスリリースなどは出てないようです)
記者会見まで開いて侮辱したワリに何の掲示もないどころか、ずいぶん長らくサイトの更新が止まっているように見えるのが気になります…
東芝側の主張は理論的で一貫しています。
つまり、
「支払う主体は我々ではなく、あくまで代行徴収である」
「課金対象かどうかはっきりしないモノに課金はできない」
「不確定な状況で課金し後に課金不要となった場合、個別の返金は事実上不可能」
「過剰徴収分が返金できないなどと云うお客様に対する背信行為はできない」
「根拠無き徴収と協会への支払いはコンプライアンスにも反する(利益供与にも該当?)」
「最終的に『課金対象』となった場合、不払い分も遡って自腹で支払う」
「だから、先ずはしっかり議論を尽くして、きちんとした合意を目指しましょう」
と云う、極真っ当な考えです。
対する原告側の主張は…
「文化庁の役人が口頭で回答したんだからこの件はすでに確定した」
(「双方の合意」には至ってませんのでまだ継続中です)
「我々こそが文化を担っており、その主張を受け入れないのは文化の敵だ」
(関わる全員が支え育てるモノが「文化」ですよ)
「『子供のわがまま』な言い訳で金を出さん、叱り付ける必要がある」
(真っ当な主張を侮辱し、更に恫喝的訴訟をするのがオトナ?)
「MIAUや主婦連合は金をもらってる! ウラで繋がってやがるんだ!!」
(そんな事実はありませんし、そもそも今回の訴訟とは無関係)
と云う、ツッコミ所満載な感じ。
コトは重大事なのですから、じっくり話し合って円満解決するべきと思います。
が、彼らの云う「文化」というのは、そんなに焦らないといけないような、ナニかの任期に間に合わせないとならない程に短命なモノなのでしょうか?
文化を守る為には原資が必要。
それはその通り。
しかし、現状の「権利者団体」側のやり方は『SARVH全面広告に見える醜さ』(via “録画人間の末路”) が云うように、「とにかくカネ」という印象しか持てません。
お題目を唱えながらこんなコトをしてるので、結果的に「文化」「芸術」の意義までも毀損している感もあります。
更に、『~はじめに文化ありき~』とか、「だったら金の無心をするなよ」とつい言いたくもなります。
これから訴訟するにしても、決着するまでには相応の時間は掛かるのですから、だったらきちんとした合意を得るよう時間を掛けて話し合うなど、大人の対応を期待したいですね。
最後に、今日の分で目についた Twitter Log をどうぞ。
「SARVHvs東芝」をよく知るための私的録音録画補償金FAQ<基礎編> http://d.hatena.ne.jp/inflorescencia/20091111/1257941472 (2009-11-12 09:49:42) cite |
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補償金問題、権利者の意識はコピワンからダビ10になった時点で「あそこで俺らは緩和することを飲んだんだ。だから補償金は増えて当然」というのが基本にある。そもそもその考え方を制度の趣旨に照らしたときに納得できない人が多くいるということを根本的にわかってない。 (2009-11-12 10:30:01) cite |
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わかっている人ももちろんいるんだろうけど、それはあくまで政治的にそういう主張をしているわけだから、そういう人は経産省やらJEITAやらを批判することはできないよね。同じことしてんだもん。 (2009-11-12 10:31:00) cite |
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落としどころの話は審議会で散々したけど原理主義的に補償金問題を語れば俺は最初から「一方的に技術とかメーカー悪者にする権利者はおかしい。技術発展があったからコンテンツが“産業”化してあなたがたメシ食えてるんですよ。だからその原則踏まえて調整しなよ」という立場。 (2009-11-12 10:43:03) cite |
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著作権を自然権と考える派と財産権と考える派がいるように文化創作活動とビジネスがごっちゃになって語られてしまう(語らざるを得ない)状況が続く限り、こうした感情と理屈の対立は続くのであった。デッドロックの解消は外圧か産業衰退で会社潰れるかの二択しかないみたいな。 (2009-11-12 10:48:54) cite |
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@tsuda 著作権は活版印刷の発明で大量複製が可能になって生まれた権利だから自然権ではないよな。音楽業界を見ればわかるけど、いわゆる著作権ビジネスの未来は先細りでしょ。 (2009-11-12 10:53:29) cite |
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コピーフリーと補償金なら、補償金払ってもコピーフリーを取るよ。 (2009-11-12 11:09:00) cite |
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まったく同意する。という事で、元発言をfavった。補償金はここ十数年、長くても数十年の間の話だが、DRMは下手したらここ数百年に影響が出る話だ。 RT: @sophizm コピーフリーと補償金なら、補償金払ってもコピーフリーを取るよ。 (2009-11-12 11:16:09) cite |
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後付けの権利を認めてもらってビジネスした結果の「金」なんだから、著作物の財産化権は経産省の所管になるのが当然。 QT @shu103: @tsuda 著作権は活版印刷の発明で大量複製が可能になって生まれた権利だから自然権ではないよな。(略) (2009-11-12 12:22:24) cite |