身柄強奪容認事件

亡命希望者五名、何はともあれ無事移送が始まったようで。取り敢えずはお疲れ様というところでしょうか。まあ、日本側の対応が杜撰であったのは放っておくとして…

で、中華人民共和国側が日本の介在なしに移送に着手した点について。
ココまでの日本政府側の論調としては「形式的だけでも日本に身柄を移し、それから第三国に移送させる」という感じでありましたが、私としては「いまさら何を言ってんだか?」でした。

中国官憲のやらかしたことは明らかにやっちゃいかんことではありますが、例えどのような手段であろうが、どれだけ強引であろうが、領事館敷地内から連れ出された時点でその身柄は中国側に移った訳で、ソレを日本側につれて来いってのはソレこそ「内政干渉」ですな。文句をたれる前に、身柄の確保を完璧に履行するべきな訳で、ソレを為すこともできなかった時点で発言権はあり得ません。
だいたい、今回のは事前のタレコミだかでその場にメディアの目があったからこそ、最終的にとはいえ亡命は成功した訳で。もしもメディアなどの目がなかったら、亡命希望者は即刻本国に送還され、その後どのような扱いを受けることか… 更に日本側は、本件をなかったこととして、或いは極軽微な虚偽にまみれた誤報のみで済まそうとしただろうコトは、想像に難くありません。なにしろ、事が起こって、世界中に報道され切っている状況にもかかわらず、あがってきた報告は非常に杜撰なものであったと聴きますから、ね。

「『日本側に駆け込んでもまともな対応は為されない。だからこれからは日本側に駆け込むのは止めよう』という認識を植え付け、『国策』として『亡命受け入れ拒否』を掲げている日本への亡命を抑止できた」として、外務省内では今回の対応を「是」としていそうなのが何とも…
しかも、損害は担当職員の首を切るだけですからね…